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相続が発生したらまず何をすべきか|北九州の税理士が手続きの流れを解説
2026-03-20
- 相続
ご家族が亡くなられた後、悲しみの中でもさまざまな手続きを進めなければなりません。特に相続に関する手続きは、期限が定められているものも多く、何をいつまでにすべきかを把握しておくことが大切です。北九州の税理士として、当事務所にも「親が亡くなったのですが、何から手をつければよいかわからない」というご相談を多くいただきます。本記事では、相続が発生した際の手続きの流れと、税理士に相談すべきタイミングについて、税務の観点からわかりやすく解説します。なお、法律に関わる判断が必要な事項については、弁護士にご相談ください。
相続発生後の手続きの全体像
相続に関する手続きには、それぞれ期限が設けられています。まずは全体の流れを把握しましょう。
相続開始(被相続人の死亡)から、概ね以下のようなスケジュールで手続きが進みます。7日以内に死亡届の提出、3か月以内に相続放棄・限定承認の判断、4か月以内に所得税の準確定申告、10か月以内に相続税の申告・納付、という流れです。これらの期限を過ぎてしまうと、不利益を被る可能性がありますので、早めに全体のスケジュールを確認しておくことが重要です。
相続発生直後にやるべきこと(7日以内)
最初に行うべきは、死亡届の提出です。死亡の事実を知った日から7日以内に、市区町村役場に届け出ます。死亡届が受理されると、火葬許可証が交付されます。
この段階では、相続に関する具体的な手続きはまだ始まりませんが、今後の手続きに必要となる書類の準備を始めておくとスムーズです。具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書などが必要になります。戸籍謄本の取得には時間がかかる場合もありますので、早めに手配しておくことをお勧めします。
相続人と相続財産の確認(1〜2か月目)
相続人の確定
相続手続きを進めるにあたり、まず法定相続人が誰であるかを確定させる必要があります。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、相続人を確認します。前婚の子や認知した子がいる場合もありますので、戸籍を丁寧に確認することが大切です。相続人の確定は、その後の遺産分割や相続税の計算に直結する重要なステップです。
相続財産の調査
次に、被相続人がどのような財産を持っていたかを調査します。相続財産には、プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券、生命保険金など)だけでなく、マイナスの財産(借入金、未払金など)も含まれます。
預貯金は、取引のあった金融機関に残高証明書の発行を依頼します。不動産は、固定資産税の納税通知書や登記簿謄本で確認します。有価証券は、証券会社に問い合わせて残高を確認します。生命保険金は、保険会社に連絡して保険金の請求手続きを行います。
北九州にお住まいの方であれば、北九州市内の不動産や地元の金融機関の口座が含まれることも多いでしょう。当事務所では、地域の金融機関との連携もスムーズに対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
遺言書の有無の確認
遺言書がある場合は、遺言の内容に基づいて遺産分割を行うのが原則です。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要です(法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は検認不要です)。公正証書遺言の場合は、検認は不要です。遺言書の有無は、公証役場や法務局に照会して確認できます。遺言書に関する法的な判断については、弁護士にご相談されることをお勧めします。
相続放棄の判断(3か月以内)
相続財産を調査した結果、借入金などのマイナスの財産がプラスの財産を上回る場合は、相続放棄を検討する必要があります。相続放棄は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述しなければなりません。この期間を過ぎると、原則として相続を承認したものとみなされます。
3か月以内に財産の全容が判明しない場合は、家庭裁判所に期間の伸長を申請することもできます。相続放棄をするかどうかの判断は、相続人の今後の生活にも大きく影響しますので、慎重に検討する必要があります。判断に迷う場合は、早めに税理士や弁護士に相談されることをお勧めします。
準確定申告(4か月以内)
被相続人が個人事業主であった場合や、不動産所得があった場合など、確定申告が必要な方が亡くなった場合は、相続人が代わりに確定申告を行います。これを「準確定申告」といいます。準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
準確定申告では、被相続人の1月1日から死亡日までの所得を計算します。事業を引き継ぐ場合の青色申告承認申請など、関連する手続きも必要になる場合がありますので、税理士に相談しながら進めることをお勧めします。当事務所でも準確定申告の作成・提出をサポートしています。
遺産分割協議
相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を相続するかを話し合って決める「遺産分割協議」を行います。遺産分割協議には法律上の期限はありませんが、相続税の申告期限(10か月以内)までにまとまっていないと、税務上の特例(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など)が適用できない場合があります。
遺産分割協議がまとまったら、相続人全員の署名と実印の押印がある「遺産分割協議書」を作成します。この協議書は、不動産の相続登記や金融機関での名義変更手続きに必要となります。遺産分割で相続人間の意見が対立する場合は、弁護士にご相談ください。
相続税の申告と納付(10か月以内)
相続税の申告が必要かどうかの判断
相続税には「基礎控除」があり、遺産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税の申告は不要です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。遺産の総額がこれを超える場合に、相続税の申告と納付が必要になります。
ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用した結果、税額がゼロになる場合でも、申告書の提出は必要です。この点は見落としがちですので、注意してください。
税理士への相談タイミング
相続税の申告は、専門的な知識が求められる手続きです。財産の評価方法や各種特例の適用判断など、税理士の専門的なサポートがあると安心です。
税理士への相談は、早ければ早いほど余裕を持って手続きを進められます。理想的には、相続発生後1〜2か月以内にご相談いただくのがよいでしょう。私たちの事務所では、初回のご相談で相続の全体像をお伺いし、今後のスケジュールや必要書類をご案内しています。北九州で相続に関するご不安がある方は、お早めにお問い合わせください。
不動産の評価
相続財産の中でも、不動産の評価は特に専門的な知識が必要です。土地は路線価方式または倍率方式で評価し、建物は固定資産税評価額を基に評価します。土地の形状や利用状況によって、評価額を減額できる場合もあります。適正な評価を行うことで、相続税の負担を適法に軽減できる可能性があります。
まとめ
相続が発生した際には、さまざまな手続きを期限内に進めていく必要があります。悲しみの中で全てを自力で対応するのは大変な負担です。税務に関する手続きについては、できるだけ早い段階で税理士に相談し、専門家のサポートを受けながら進めることをお勧めします。
当事務所では、北九州の地域に密着した税理士事務所として、相続税の申告はもちろん、相続発生直後からの手続き全般についてサポートしています。「何をすればよいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。お客様が安心して手続きを進められるよう、丁寧にお手伝いいたします。
※本記事は一般的な税務情報の提供を目的としています。個別の状況に応じた対応については、税理士にご相談ください。
