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税務調査を受ける前の事前準備!必要書類とチェックポイント

2025-10-04
  • 税務実務
  • 法人税

税務調査とは

税務調査とは、税務署が納税者の申告内容が正しいか確認する調査です。すべての法人・個人事業主が対象になる可能性があります。

税務調査の種類:

  1. 任意調査:事前に連絡があり、日程調整する(ほとんどがこれ)
  2. 強制調査:裁判所の令状をもとに強制的に調査(脱税の疑いがある場合)

調査の流れ:

  1. 税務署から電話連絡
  2. 日程調整
  3. 調査当日(通常2〜3日)
  4. 調査結果の説明
  5. 修正申告または更正処分

税務調査の事前準備

1. 税理士への連絡

税務署から連絡があったら: すぐに顧問税理士に連絡し、立ち会いを依頼

税理士がいない場合: すぐに税理士を探して依頼

税理士立ち会いのメリット:

  • 税務署との交渉を代行
  • 適切な説明をサポート
  • 不必要な指摘を防止

2. 必要書類の準備

必ず準備すべき書類:

帳簿関係:

  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳
  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 売掛金元帳
  • 買掛金元帳
  • 固定資産台帳

証憑書類:

  • 領収証・レシート
  • 請求書
  • 契約書
  • 通帳のコピー
  • 給与台帳
  • 源泉徴収簿

申告書類:

  • 法人税申告書(過去3〜5年分)
  • 消費税申告書(過去3〜5年分)
  • 源泉所得税納付書

その他:

  • 株主総会議事録
  • 取締役会議事録
  • 定款
  • 登記簿謄本

3. 帳簿のチェックポイント

調査前に確認すべきポイント:

1. 領収証の整理:

  • 月ごと、科目ごとに整理されているか
  • 領収証が全て揃っているか

2. 現金出納帳と現金残高:

  • 帳簿上の現金残高と実際の現金残高が一致するか
  • マイナスになっていないか

3. 売上の計上漏れ:

  • 期末の売上が正しく計上されているか
  • 請求書と売上が一致しているか

4. 経費の妥当性:

  • 個人的な支出が経費に含まれていないか
  • 交際費が過大ではないか

5. 給与の源泉徴収:

  • 給与から正しく源泉徴収されているか
  • 源泉所得税が正しく納付されているか

4. 調査対象期間の確認

通常の調査期間:

  • 過去3年分(3期分)

不正が疑われる場合:

  • 過去5年分(重加算税の対象)
  • 最大7年分

該当する年度の書類を全て準備しましょう。

5. 調査場所の準備

調査場所:

  • 通常は会社の会議室や応接室

準備すべきこと:

  • 書類を置くスペースの確保
  • 机、椅子の用意
  • 調査官用のお茶の準備

6. 問題点の洗い出し

事前に税理士と確認:

  • 申告に誤りがないか
  • 経費に不適切なものがないか
  • 売上の計上漏れがないか

問題がある場合:

  • 事前に修正申告を検討(加算税が軽減される)

税務調査当日の対応

1. 調査官への対応

基本姿勢:

  • 誠実に対応する
  • 質問には正直に答える
  • 分からないことは「分からない」と答える
  • 嘘をつかない

注意点:

  • 余計なことは話さない
  • 聞かれたことだけ答える
  • 調査官の質問の意図を考える

2. 税理士との連携

税理士が立ち会っている場合:

  • 答えにくい質問は、税理士に相談
  • 税理士が調査官と交渉

3. 書類の提出

調査官から要求された書類のみ提出:

  • 要求されていない書類は出さない
  • 提出前に税理士に確認

4. 反面調査への対応

反面調査とは: 取引先に対して、税務署が確認する調査

対応:

  • 取引先に事前に連絡しておく
  • 迷惑をかけないように配慮

調査後の対応

1. 指摘事項の確認

調査官からの指摘:

  • 何が問題だったのか確認
  • 修正内容を理解する

2. 修正申告

修正申告が必要な場合:

  • 指摘された内容を修正
  • 追加の税金を納付

加算税:

  • 過少申告加算税:10%(一定額以上は15%)
  • 重加算税:35%(仮装・隠蔽がある場合)

3. 延滞税

延滞税: 申告期限から修正申告までの期間に応じて発生

税率:

  • 年2.4〜8.7%(年度により変動)

税理士に依頼するメリット

税務調査は、税理士に立ち会いを依頼することで、リスクを大幅に軽減できます。

税理士のサポート内容:

  1. 事前準備のサポート(書類の整理、問題点の洗い出し)
  2. 調査当日の立ち会い
  3. 調査官との交渉
  4. 修正申告のサポート
  5. 今後の対策アドバイス

税務調査の連絡があったら、すぐに税理士に相談しましょう。

よくある指摘事項

1. 売上の計上漏れ

指摘例:

  • 期末の売上を翌期に計上していた

2. 経費の過大計上

指摘例:

  • 個人的な飲食費を交際費に計上
  • 家族旅行を出張旅費に計上

3. 架空経費

指摘例:

  • 実際にはない取引を経費計上
  • 領収証の改ざん

4. 源泉徴収の誤り

指摘例:

  • 従業員の給与から源泉徴収していない
  • 源泉所得税を納付していない

5. 交際費の過大

指摘例:

  • 飲食費を過大に交際費計上
  • 会議費とすべきものを交際費にしていた

まとめ

税務調査の事前準備では、必要書類の整理、帳簿のチェック、税理士への依頼が重要です。調査当日は誠実に対応し、聞かれたことだけ答えましょう。

税務調査の連絡があったら、すぐに税理士に相談し、適切な準備と対応を行うことが重要です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務調査対応については、税理士に相談することをお勧めします。

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