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中小企業の会計チェックリスト!経理の精度を高める確認ポイント
2025-11-15
- 経理
- 税務実務
中小企業の会計チェックリストとは
会計チェックリストとは、経理業務の正確性を保つために、定期的に確認すべき項目をまとめたリストです。日次、月次、年次のタイミングで確認することで、ミスを防止できます。
会計チェックリストの目的:
- 経理ミスの早期発見
- 決算をスムーズに進める
- 税務調査のリスク軽減
- 正確な経営判断の基礎作り
日次チェックリスト
1. 現金の確認
チェック項目:
- 現金出納帳の残高と実際の現金が一致しているか
- 現金残高がマイナスになっていないか
対処法:
- 不一致があれば、即座に原因を調査
- 領収証の記帳漏れを確認
2. 売上の記帳
チェック項目:
- 当日の売上が正しく記帳されているか
- 売上の計上漏れがないか
対処法:
- レジ締めと売上記帳を照合
- 現金売上と掛売上を区別
3. 経費の記帳
チェック項目:
- 当日発生した経費が記帳されているか
- 領収証が揃っているか
対処法:
- 領収証を即座に会計ソフトに入力
- 領収証のない経費は出金伝票を作成
4. 預金取引の確認
チェック項目:
- 銀行口座の入出金が記帳されているか
対処法:
- 会計ソフトの銀行連携機能を活用
- 通帳記帳を定期的に実施
月次チェックリスト
1. 現金・預金残高の照合
チェック項目:
- 帳簿の現金残高と実際の現金が一致しているか
- 帳簿の預金残高と通帳残高が一致しているか
対処法:
- 差異があれば、未記帳の取引を確認
- 現金過不足がある場合は、雑損失または雑収入で処理
2. 売掛金・買掛金の確認
チェック項目:
- 売掛金の残高が正しいか(得意先ごとに確認)
- 買掛金の残高が正しいか(仕入先ごとに確認)
対処法:
- 請求書と照合
- 回収遅延の売掛金を把握
3. 棚卸資産の確認
チェック項目:
- 在庫の数量が帳簿と一致しているか
対処法:
- 月末に棚卸を実施
- 差異があれば、棚卸減耗損として処理
4. 経費の未払計上
チェック項目:
- 月末時点で発生している経費が計上されているか
確認すべき経費:
- 水道光熱費
- 通信費
- 外注費
- 家賃
5. 試算表の作成
チェック項目:
- 貸借対照表の「資産 = 負債 + 純資産」が一致しているか
- 異常な数値がないか
対処法:
- 前月との比較
- 予算との比較
6. 売上・経費の異常値チェック
チェック項目:
- 売上が前月と比較して大きく変動していないか
- 経費が過大に計上されていないか
対処法:
- 異常値があれば、原因を調査
- 入力ミスや計上漏れを確認
年次チェックリスト(決算前)
1. 棚卸資産の実地棚卸
チェック項目:
- 期末の在庫を正確に把握しているか
対処法:
- 実地棚卸を実施
- 棚卸表を作成
2. 減価償却費の計算
チェック項目:
- 固定資産の減価償却費が正しく計算されているか
対処法:
- 固定資産台帳を更新
- 当期取得資産の減価償却費を計上
3. 売掛金・貸付金の回収可能性
チェック項目:
- 回収不能な債権がないか
対処法:
- 貸倒損失として計上(要件を満たす場合)
4. 前払費用・未払費用の計上
チェック項目:
- 決算日をまたぐ費用が正しく処理されているか
前払費用の例:
- 保険料(年払い)
- 家賃(前払い)
未払費用の例:
- 水道光熱費
- 外注費
5. 消費税の確認
チェック項目:
- 課税売上高、課税仕入高が正しく集計されているか
- 消費税の納付額が計算されているか
対処法:
- 課税・非課税・免税の区分を確認
- 簡易課税の場合、業種区分を確認
6. 役員報酬の確認
チェック項目:
- 役員報酬が定期同額給与となっているか
対処法:
- 不定期な役員報酬は損金不算入
7. 交際費の確認
チェック項目:
- 交際費が800万円を超えていないか(中小企業の場合)
対処法:
- 超過分は損金不算入
8. 源泉所得税の確認
チェック項目:
- 給与から源泉徴収が正しく行われているか
- 源泉所得税が納付されているか
対処法:
- 源泉徴収簿と照合
よくある経理ミスとチェックポイント
1. 売上の計上漏れ
チェックポイント:
- 期末の売上が正しく計上されているか
- 請求書と売上台帳が一致しているか
2. 経費の私的支出
チェックポイント:
- 個人的な支出が経費に含まれていないか
- 交際費が過大ではないか
3. 現金残高のマイナス
チェックポイント:
- 現金出納帳の残高がマイナスになっていないか
対処法:
- マイナスの場合、社長からの借入または仮払金を確認
4. 売掛金の回収遅延
チェックポイント:
- 長期間回収されていない売掛金がないか
対処法:
- 督促を行う
- 回収不能の場合、貸倒処理を検討
5. 固定資産の減価償却漏れ
チェックポイント:
- 固定資産台帳が更新されているか
- 減価償却費が計上されているか
会計チェックリストの運用方法
1. チェックリストの作成
作成方法:
- Excelやスプレッドシートで作成
- 日次・月次・年次ごとに分類
項目例:
- 確認項目
- 担当者
- 確認日
- チェック欄
2. 定期的な実施
日次チェック:
- 毎日実施(現金、売上、経費)
月次チェック:
- 月末締め後、翌月10日までに実施
年次チェック:
- 決算日の2か月前から準備開始
3. チェック結果の記録
記録すべき内容:
- チェック実施日
- 発見された問題点
- 対処方法
税理士に相談するメリット
会計チェックリストの作成・運用は、税理士に相談することで効率的に進められます。
税理士のサポート内容:
- 会社に合ったチェックリストの作成
- 月次チェックの実施と問題点の指摘
- 決算前チェックのサポート
- 経理体制の構築アドバイス
- 会計ソフトの導入・運用支援
会計の精度を高めたい方は、税理士に相談してみましょう。
まとめ
中小企業の会計チェックリストは、日次・月次・年次ごとに確認項目を設定することで、経理ミスを防止できます。現金・預金の照合、売掛金・買掛金の確認、試算表のチェックが重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な会計チェックについては、税理士に相談することをお勧めします。
現在弊社では、ZOOMを利用したオンラインによる面談を行っております。
© 税理士 富下会計事務所
