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資金繰り改善のための経理業務見直しポイント|北九州の税理士が中小企業向けに解説

2026-02-27
  • 経営

「利益は出ているのに手元資金が足りない」「月末になると支払いに追われる」——こうした資金繰りの悩みを抱える中小企業の経営者は少なくありません。資金繰りの問題は、経理業務の進め方を見直すことで改善できるケースが多くあります。北九州の税理士として、私たちの事務所では地域の中小企業の資金繰り改善を数多くサポートしてきました。本記事では、資金繰りを改善するために経理業務で見直すべきポイントを実務的な視点からお伝えします。

なぜ利益が出ていても資金繰りが苦しくなるのか

まず、「利益」と「お金(キャッシュ)」は同じではないという点を理解することが大切です。利益は会計上の計算結果であり、売上から経費を差し引いたものです。一方、手元資金は実際に入金された金額から実際に支払った金額を差し引いたものです。

例えば、100万円の売上があっても、入金が翌々月であれば、売上を計上した時点ではお金は手元にありません。逆に、設備投資で300万円を支払っても、減価償却によって経費になるのは一部だけです。このように、利益の計上時期と実際のお金の動きにはズレが生じるため、利益が出ていても資金繰りが厳しくなることがあるのです。

売掛金管理の徹底

資金繰り改善の第一歩は、売掛金(まだ回収していない売上代金)の管理を徹底することです。

請求書の発行を迅速に行う

意外に多いのが、請求書の発行が遅れているケースです。月末締めの取引先に対して、翌月10日に請求書を発行すべきところ、翌月末まで発行が遅れてしまうと、入金も1ヶ月遅れることになります。請求書の発行日をルール化し、締め日の翌営業日には発行する体制を整えましょう。クラウド請求書ソフトを導入すれば、請求書の作成から送付までの時間を大幅に短縮できます。

入金状況を定期的に確認する

請求書を発行したら終わりではありません。期日どおりに入金されているかを定期的に確認することが重要です。入金が遅れている取引先がある場合は、速やかに確認の連絡を取りましょう。入金遅延が常態化している取引先に対しては、支払条件の見直しを検討することも必要です。当事務所では、売掛金の年齢管理表(発生日からの経過日数で分類した一覧表)の作成をお勧めしています。これにより、回収遅延の状況を一目で把握できます。

回収サイトの短縮を検討する

売上の回収条件(回収サイト)を見直すことも有効です。例えば、「月末締め翌々月末払い」を「月末締め翌月末払い」に変更できれば、回収が1ヶ月早くなります。既存の取引先に対して条件変更を交渉するのは難しい場合もありますが、新規取引先との契約時に有利な回収条件を設定するなど、できるところから改善を進めましょう。

支払い管理の最適化

入金側だけでなく、支払い側の管理も資金繰りに大きく影響します。

支払日の集約

支払日がバラバラだと、いつどれだけの支払いがあるのか把握しにくくなります。可能な範囲で支払日を月1回(例えば毎月25日)に集約することで、資金の出入りが整理され、管理がしやすくなります。また、支払日を入金日よりも後に設定することで、入金で得た資金を支払いに充てる流れをつくれます。

経費精算のルール化

従業員の立替経費の精算が遅れると、会社のお金の動きが不透明になります。「月末締め、翌月10日精算」のように経費精算のルールを明確にし、領収書の提出期限を厳格に運用しましょう。経費精算クラウドシステムを導入すれば、スマートフォンで領収書を撮影してすぐに申請でき、精算業務の効率化と迅速化が図れます。

不要な支出の見直し

定期的に支出の内容を棚卸しすることも大切です。長年使っていないサブスクリプションサービスの契約が残っていたり、複数の同種のサービスに重複して支払っていたりするケースは珍しくありません。半年に一度は、すべての定期支払いを一覧にして、本当に必要なものだけに絞り込むことをお勧めします。

資金繰り表の作成と活用

資金繰りの改善に最も効果的なツールが「資金繰り表」です。

資金繰り表とは

資金繰り表とは、将来の入金予定と支払予定を時系列に並べ、手元資金の推移を予測する表です。「来月の月末にはいくら手元に残るか」「3ヶ月後に資金が不足する恐れはないか」といった見通しを立てることができます。資金ショートを未然に防ぐための重要な管理ツールです。

資金繰り表の作り方

資金繰り表は、エクセルで作成するのが一般的です。縦軸に「営業収入」「営業支出」「財務収入」「財務支出」などの項目を設定し、横軸に月(または週)を設定します。各月の入金予定額と支払予定額を記入し、月末の預金残高を算出します。最初から完璧な精度を求める必要はありません。大まかでも構いませんので、まずは作成してみることが大切です。

資金繰り表を活用した先手の対策

資金繰り表を作成すると、数ヶ月先の資金不足が事前にわかります。資金が不足する見通しであれば、融資の申し込みや支払条件の交渉を早めに行うことができます。急に資金が足りなくなってから慌てて銀行に駆け込むのと、3ヶ月前から計画的に融資を相談するのでは、金融機関からの印象も大きく異なります。資金繰り表を継続的に更新し、常に先を見据えた経営を行うことが重要です。

月次決算の早期化

経理業務のスピードも資金繰りに影響します。月次決算(毎月の帳簿の締め作業)が遅れると、現在の経営状況を正確に把握できず、問題の発見が遅れます。

理想的には、翌月10日までに前月の月次決算を完了させることを目標にしましょう。そのためには、日々の記帳を溜めないこと、領収書や請求書の整理を日常的に行うこと、クラウド会計ソフトを活用して銀行取引を自動取り込みすることなどが有効です。

当事務所では、記帳代行サービスを通じてお客様の月次決算の早期化をサポートしています。月次の試算表をもとに面談を行い、資金繰りの状況を一緒に確認することで、早期の課題発見と対策につなげています。

在庫管理と資金繰りの関係

在庫を持つ事業では、在庫管理と資金繰りの関係にも注意が必要です。在庫は仕入時に代金を支払いますが、売れるまではお金に変わりません。過剰在庫は、資金を眠らせていることと同じです。適正在庫の水準を把握し、必要以上の仕入れを控えることが資金繰りの改善につながります。在庫回転率(売上原価 ÷ 平均在庫)を定期的に確認し、回転率の低い商品は仕入量の見直しや処分を検討しましょう。

北九州の中小企業の経営者の方へ

資金繰りの改善は、一朝一夕にはできません。しかし、経理業務の仕組みを一つひとつ見直していくことで、着実に改善していくことが可能です。私たちの事務所では、北九州市を中心に中小企業の資金繰り改善をサポートしております。

「資金繰り表の作り方がわからない」「売掛金の管理方法を改善したい」「経理業務を効率化したい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。経理業務の現状を確認させていただき、改善のためのプランをご提案いたします。初回のご相談は無料ですので、まずはお問い合わせください。資金繰りの安定は、事業の成長を支える土台です。当事務所が、税務の観点から全力でサポートいたします。

※本記事は一般的な税務情報の提供を目的としています。個別の状況に応じた対応については、税理士にご相談ください。

現在弊社では、ZOOMを利用したオンラインによる面談を行っております。
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