BLOGブログ
年末調整の保険料控除はいつまで?期限と間に合わない時の対処法
2025-10-30
- 年末調整
- 所得税
年末調整の保険料控除の提出期限
年末調整における保険料控除の提出期限は、会社が独自に設定しています。法律で統一された期限があるわけではなく、会社の年末調整処理スケジュールに応じて決まります。
一般的な提出期限:
- 11月下旬~12月上旬
- 多くの会社では11月末または12月第1週を期限としている
- 早い会社では11月中旬が期限のケースも
会社から配布される年末調整の案内書類に記載された期限を必ず確認しましょう。
なぜ会社ごとに期限が違うのか
会社は年末調整の結果を12月分の給与に反映させる必要があります。そのため、給与計算や税務署への提出準備に必要な時間を逆算して、独自の締切を設定しています。
会社のスケジュール例:
- 従業員からの書類提出締切:11月30日
- 年末調整の計算・確認:12月1日~15日
- 12月給与への反映:12月20日~25日支給
- 税務署への提出:翌年1月31日まで
保険料控除証明書が届く時期
生命保険料控除証明書
送付時期:
- 10月中旬~11月上旬
- 保険会社により多少の差がある
11月以降に新規加入した場合: 年内加入でも控除証明書の発行が年末調整に間に合わないことがあります。この場合、翌年の確定申告で控除を受けます。
地震保険料控除証明書
送付時期:
- 10月中旬~11月上旬
- 火災保険の契約と一緒に送付されることが多い
国民年金保険料控除証明書
送付時期:
- 1月~9月に納付した分:11月上旬
- 10月~12月に納付した分:翌年2月上旬
10月以降に納付した国民年金保険料は、11月の証明書には含まれていません。追加で納付した場合は、翌年2月の証明書を使って確定申告します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の控除証明書
送付時期:
- 10月下旬~11月上旬
- 国民年金基金連合会から送付
保険料控除証明書が期限に間に合わない場合
保険料控除証明書が届かない
対処法:
-
保険会社に問い合わせる
- 紛失の場合は再発行を依頼
- 再発行には1週間程度かかることが多い
-
契約内容のお知らせで代用できるか確認
- 一部の保険会社では、年間の支払予定額が記載された書類で代用可能な場合がある
- 会社の経理担当者に確認
-
Web上で証明書をダウンロード
- 多くの保険会社では、マイページから電子版の控除証明書をダウンロード可能
- 印刷して提出できる場合が多い
会社の提出期限に間に合わない
年末調整の書類提出期限に間に合わなかった場合、以下の選択肢があります:
選択肢1:会社に相談する
- 期限を過ぎていても、会社の年末調整処理がまだ完了していなければ受け付けてもらえることがある
- まずは経理担当者に相談
選択肢2:確定申告で対応する
- 年末調整で控除を受けられなかった場合、翌年の確定申告で控除を受けられる
- 確定申告期間:翌年2月16日~3月15日
確定申告で保険料控除を受ける方法
確定申告が必要な書類
必要書類:
- 源泉徴収票(会社から交付される)
- 保険料控除証明書
- 確定申告書
- マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
確定申告の手続き
申告方法:
-
e-Tax(電子申告)
- スマホやパソコンから申告可能
- マイナンバーカードがあれば自宅で完結
- 24時間受付
-
税務署に直接提出
- 確定申告期間中は税務署が混雑
- 相談コーナーで記入方法を教えてもらえる
-
郵送
- 申告書を記入して税務署に郵送
- 控えを返送してもらうには返信用封筒が必要
還付金の受取時期
確定申告で保険料控除を受けた場合、還付金は申告から1~2か月後に指定口座に振り込まれます。
還付金の目安:
- 生命保険料控除(年12万円支払った場合):所得税率20%なら約2.4万円
- 地震保険料控除(年5万円支払った場合):所得税率20%なら約1万円
対象となる保険料の範囲
その年に支払った保険料
年末調整で控除対象となるのは、その年の1月1日~12月31日に支払った保険料です。
判定基準:
- 実際に支払った日が基準
- 口座振替の場合は振替日
- クレジットカード払いの場合は決済日
前納・一括払いの取り扱い
年払い・一括払いの場合: 支払った年に全額控除します。翌年以降の保険料を前払いした場合でも、支払年度に一括で控除対象となります。
例: 令和6年12月に令和7年分の保険料を前納 → 令和6年分の年末調整で控除
12月末に支払った保険料
12月末日までに支払った保険料は、その年の控除対象です。ただし、保険料控除証明書に記載されていない場合があります。
対処法:
- 12月分の払込票や領収書を保管
- 確定申告時に追加で控除を受ける
- または翌年の年末調整で2年分をまとめて控除(調整)
年末調整後に保険料控除証明書が届いた場合
国民年金保険料(10月以降納付分)
10月~12月に納付した国民年金保険料の控除証明書は、翌年2月上旬に送付されます。年末調整には間に合いません。
対処法: 確定申告で控除を受けます。年末調整で受けた基礎控除や配偶者控除などに加えて、国民年金保険料控除を追加申告します。
年末に新規加入した保険
11月~12月に新規加入した生命保険の控除証明書は、年末調整に間に合わないことが多いです。
対処法:
- 保険会社に連絡して即日発行を依頼
- Web上でダウンロード
- 間に合わなければ確定申告で対応
保険料控除証明書を紛失した場合
再発行の手続き
再発行の方法:
-
Webサイトから申請
- 多くの保険会社では、マイページから再発行申請可能
- 電子版なら即時ダウンロード可能
-
電話で申請
- 保険会社のコールセンターに連絡
- 契約者番号または証券番号が必要
- 郵送で1週間程度かかる
-
保険代理店経由で申請
- 担当代理店に依頼できる場合がある
電子版控除証明書の活用
メリット:
- 即時発行可能
- 紛失のリスクがない
- 自宅で印刷できる
利用方法:
- 保険会社のマイページにログイン
- 電子版控除証明書をダウンロード
- 印刷して会社に提出
よくある質問と注意点
配偶者名義の保険料を本人が支払った場合
実際に保険料を支払ったのが本人であれば、本人の控除として申告できます。
記入方法:
- 保険契約者名:配偶者名
- 保険料負担者:本人名
- 控除を受ける人:本人
保険料を口座振替で支払っている場合
口座振替日が属する年の控除対象となります。12月27日振替なら、その年の控除対象です。
控除証明書の金額と実際の支払額が違う場合
控除証明書は発行時点での見込額が記載されています。実際の支払額と異なる場合は、実際の支払額で申告します。
確認方法:
- 通帳の記録
- クレジットカードの明細
- 保険会社からの年間支払明細
年末調整と確定申告の使い分け
年末調整で対応するのが便利
年末調整で保険料控除を受ければ、確定申告不要で、12月の給与で還付を受けられます。可能な限り、会社の期限内に提出しましょう。
確定申告での対応も可能
期限に間に合わなくても、確定申告で控除を受けられます。年末調整を逃しても、税負担は同じように軽減されます。
確定申告のメリット:
- 年末調整で申告漏れがあっても修正できる
- 複数年分の保険料控除をまとめて申告可能(過去5年間遡及可能)
まとめ:期限を守りつつ、間に合わなくても確定申告で対応可能
年末調整の保険料控除の提出期限は、会社により異なりますが、一般的には11月末~12月上旬です。保険料控除証明書は10月~11月に送付されるため、届いたら早めに提出しましょう。
万が一、会社の期限に間に合わなかった場合でも、翌年の確定申告で保険料控除を受けられます。還付金の受取時期が遅くなるだけで、税負担の軽減効果は変わりません。
保険料控除証明書を紛失した場合は、保険会社に連絡して再発行を依頼するか、Web上でダウンロードしましょう。期限に余裕を持って準備することで、スムーズに年末調整を完了できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な期限や手続きについては、勤務先の給与担当者や税理士等の専門家にご相談ください。
