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経理の仕事内容をわかりやすく解説!日々の業務から年次業務まで

2025-10-22
  • 経理
  • 税務実務

経理の仕事とは

経理とは、会社のお金の流れを記録・管理し、財務状況を正確に把握する仕事です。すべての取引を帳簿に記録し、決算書を作成することで、経営判断の基礎となる情報を提供します。

経理の主な役割:

  • お金の入出金を記録する(記帳)
  • 請求書の発行と支払いの管理
  • 給与計算と社会保険の手続き
  • 決算書の作成
  • 税金の計算と申告

経理は会社の「お金の番人」として、正確性と誠実性が求められる重要な職種です。

経理の仕事内容を業務サイクル別に解説

経理の仕事は、日次・月次・年次の3つのサイクルに分けられます。

日次業務(毎日行う仕事)

現金・預金の管理:

  • 現金出納帳の記帳
  • 銀行口座の入出金確認
  • 現金と帳簿残高の照合

伝票の起票:

  • 取引が発生するたびに仕訳伝票を作成
  • 領収書や請求書をもとに記帳

例:商品を10万円で仕入れた場合

借方:仕入 100,000円 / 貸方:買掛金 100,000円

請求書の発行:

  • 売上に対する請求書を作成
  • 取引先に送付

支払いの処理:

  • 仕入先への支払い
  • 経費の精算
  • 振込手続き

小口現金の管理:

  • 社内の小額経費の精算
  • 小口現金出納帳の記帳

月次業務(毎月行う仕事)

月次決算:

  • 1か月間の取引を集計
  • 月次損益計算書・貸借対照表の作成
  • 経営陣への報告

売掛金・買掛金の管理:

  • 売掛金の回収状況の確認
  • 買掛金の支払い予定の管理
  • 取引先ごとの残高照合

給与計算:

  • 従業員の給与・賞与の計算
  • 所得税・社会保険料の控除計算
  • 給与明細の作成
  • 銀行振込の手配

社会保険の手続き:

  • 健康保険・厚生年金の資格取得・喪失手続き
  • 保険料の納付

経費精算:

  • 従業員の立替経費の精算
  • 交通費・交際費などの処理

消費税の計算:

  • 課税売上と課税仕入の集計
  • 仮受消費税と仮払消費税の管理

年次業務(年に1回または特定時期に行う仕事)

年次決算:

  • 1年間の取引をすべて集計
  • 決算整理仕訳(減価償却、棚卸、引当金など)
  • 決算書(貸借対照表、損益計算書など)の作成
  • 監査対応(監査法人がある場合)

税務申告:

  • 法人税の確定申告
  • 消費税の確定申告
  • 地方税の申告
  • 税務署への提出

年末調整:

  • 従業員の所得税の年末調整
  • 源泉徴収票の発行
  • 法定調書合計表の提出

固定資産の管理:

  • 固定資産台帳の更新
  • 減価償却費の計算
  • 除却・売却の処理

予算編成:

  • 次年度の予算案の作成
  • 経営陣との調整

株主総会対応:

  • 決算書の報告資料作成
  • 配当金の計算

経理業務の具体例

例1:売上が発生した場合

取引:商品100万円を掛けで販売

日次業務:

  1. 売上伝票を起票
借方:売掛金 1,000,000円 / 貸方:売上 1,000,000円
  1. 請求書を発行し、取引先に送付

月次業務: 3. 売掛金管理表に記録 4. 月次決算で売上を集計

入金時: 5. 銀行口座に100万円入金を確認

借方:普通預金 1,000,000円 / 貸方:売掛金 1,000,000円

例2:経費の支払い

取引:事務用品を5万円で購入、現金払い

日次業務:

  1. 領収書を受領
  2. 仕訳伝票を起票
借方:消耗品費 50,000円 / 貸方:現金 50,000円
  1. 現金出納帳に記帳
  2. 現金残高を確認

月次業務: 5. 月次決算で経費を集計

例3:給与の支払い

月次業務:

  1. タイムカードや勤怠システムから勤務時間を集計
  2. 基本給、残業代、手当を計算
  3. 所得税、住民税、社会保険料を控除
  4. 給与明細を作成
  5. 銀行振込データを作成し、振込実行
  6. 仕訳伝票を起票
借方:給与 3,000,000円 / 貸方:普通預金 2,500,000円
                          / 貸方:預り金(所得税) 200,000円
                          / 貸方:預り金(社会保険) 300,000円

経理に必要なスキルと知識

簿記の知識

経理の基礎となるのが簿記の知識です。

推奨資格:

  • 日商簿記3級:経理の基礎を理解できるレベル
  • 日商簿記2級:実務に必要な知識を習得できるレベル
  • 日商簿記1級:高度な会計知識(経理責任者レベル)

会計ソフトの操作スキル

多くの企業が会計ソフトを使用しています。

主な会計ソフト:

  • 弥生会計
  • freee
  • マネーフォワード クラウド会計
  • 勘定奉行

これらのソフトの基本操作を習得することが実務では重要です。

Excelスキル

経理業務では、Excelを頻繁に使用します。

必要なスキル:

  • 関数(SUM, VLOOKUP, IF など)
  • ピボットテーブル
  • グラフ作成
  • データの並べ替え・フィルター

税務知識

基本的な税務知識:

  • 法人税の基礎
  • 消費税の仕組み
  • 所得税(源泉徴収)
  • 社会保険の計算

コミュニケーション能力

経理は社内外の多くの人と関わります。

必要な場面:

  • 他部署への経費精算の説明
  • 取引先との請求・支払いの確認
  • 税理士・会計士との連携
  • 経営陣への報告

経理の仕事のやりがい

会社の全体像が見える

経理はすべての取引を記録するため、会社の事業全体を数字で把握できます。どの部門が利益を生んでいるか、どこにコストがかかっているかが見えるため、経営の視点を養えます。

専門性が高く、転職に有利

経理のスキルは業種を問わず必要とされるため、転職市場での価値が高いです。簿記2級以上を取得していれば、多くの企業で求められます。

正確な仕事が評価される

経理は正確性が最も重視される仕事です。ミスなく丁寧に仕事を進めることで、確実に評価されます。

決算を完了したときの達成感

年次決算を無事に完了し、税務申告を終えたときの達成感は大きいです。1年間の会社の活動を数字でまとめ上げる責任ある仕事です。

経理の仕事の大変なところ

繁忙期がある

繁忙期:

  • 月末・月初:月次決算
  • 年末:年末調整
  • 決算期末:年次決算
  • 申告期限前:税務申告

これらの時期は残業が増えることがあります。

ミスが許されない

経理のミスは会社の財務状況の誤認識につながり、経営判断を誤らせる可能性があります。税務申告のミスは追徴課税や罰則のリスクもあるため、常に正確性が求められます。

法改正への対応

税法や会計基準は頻繁に改正されるため、常に最新の知識をキャッチアップする必要があります。

経理のキャリアパス

一般的なキャリア

入社1~3年:経理担当者

  • 日次業務、月次業務を担当
  • 簿記2級取得を目指す

3~5年:経理主任

  • 月次決算の取りまとめ
  • 年次決算の補助
  • 後輩の指導

5~10年:経理課長・係長

  • 年次決算の責任者
  • 税務申告の管理
  • 部門のマネジメント

10年以上:経理部長・CFO

  • 経理部門全体の統括
  • 経営戦略への参画
  • 資金調達や財務戦略の立案

専門性を高める道

税理士を目指す: 経理経験を活かして税理士試験に挑戦し、独立や税理士法人への転職を目指す。

公認会計士を目指す: より高度な会計知識を習得し、監査法人や大手企業の財務部門で活躍する。

経営企画部門へ: 経理で培った数字の分析力を活かし、経営企画や財務企画の部門に異動する。

未経験から経理になるには

簿記資格の取得

未経験者はまず日商簿記3級から始めましょう。3級は独学でも2~3か月で取得可能です。その後、2級を目指すと実務レベルの知識が身につきます。

経理事務や経理アシスタントからスタート

いきなり正社員の経理職は難しい場合、派遣社員や契約社員として経理アシスタントから始める方法もあります。実務経験を積むことで、正社員への道が開けます。

小規模企業から始める

小規模企業では、経理業務を幅広く経験できます。未経験者を採用する企業も多く、一人で多くの業務を担当することでスキルが身につきます。

まとめ:経理は会社のお金を管理する重要な仕事

経理の仕事は、会社のすべてのお金の流れを記録・管理し、正確な財務情報を提供する重要な役割です。日次業務では現金・預金の管理や伝票の起票、月次業務では月次決算や給与計算、年次業務では年次決算や税務申告を行います。

簿記の知識、会計ソフトやExcelのスキル、税務知識が必要ですが、これらは学習と実務経験で習得できます。経理のスキルは業種を問わず求められるため、キャリアの選択肢が広く、専門性を高めることで税理士や公認会計士を目指すことも可能です。

繁忙期の忙しさやミスが許されないプレッシャーはありますが、会社の全体像を数字で把握できるやりがいのある仕事です。未経験から始める場合は、まず簿記3級を取得し、経理アシスタントからキャリアをスタートすることをお勧めします。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な経理実務については、各企業の方針や会計基準に従ってください。

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