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インボイス制度で消費税負担が重い!中小企業・免税事業者の対策
2025-10-06
- 消費税
- 税務実務
インボイス制度による消費税負担の増加
インボイス制度(2023年10月開始)により、多くの事業者が消費税負担の増加に直面しています。
負担増加の主な原因:
- 免税事業者が課税事業者になる(益税がなくなる)
- 仕入税額控除の要件が厳格化
- 事務負担の増加
免税事業者の対策
1. 登録するか、しないかの判断
登録のメリット:
- 取引先が仕入税額控除できる
- 取引継続しやすい
登録のデメリット:
- 消費税納税義務が発生
- 益税がなくなる
判断基準:
- 取引先が課税事業者 → 登録を検討
- 取引先が一般消費者 → 登録不要の場合が多い
2. 2割特例の活用
2割特例とは: 2026年9月まで、免税事業者からインボイス登録した事業者は、消費税を売上の2割に軽減できる特例
計算例:
- 売上(税込):1,100万円
- 消費税:100万円
- 納付額(2割特例):100万円 × 20% = 20万円
通常の原則課税との比較:
- 原則課税で仕入が少ない場合、納付額が多くなる
- 2割特例なら、自動的に8割控除
3. 簡易課税制度の検討
簡易課税制度: 実際の仕入ではなく、みなし仕入率で計算
2割特例終了後の選択肢:
- 2026年10月以降、2割特例が使えなくなる
- その後は簡易課税を検討
4. 価格交渉
取引先との交渉:
- 消費税負担分の価格転嫁を交渉
- 取引条件の見直し
課税事業者の対策
1. 適格請求書の確実な保存
仕入税額控除の要件:
- 適格請求書(インボイス)の保存が必須
- インボイスがないと控除不可
対策:
- 請求書を受領したら、登録番号を確認
- 適格請求書を確実に保存
2. 免税事業者との取引の見直し
経過措置:
- 2023年10月〜2026年9月:80%控除可能
- 2026年10月〜2029年9月:50%控除可能
- 2029年10月以降:控除不可
対策:
- 免税事業者との取引を見直し
- 課税事業者への切り替えを依頼
- 価格交渉
3. 簡易課税の検討
簡易課税が有利な場合:
- 実際の仕入率 < みなし仕入率
- 事務負担を軽減したい
4. 電子インボイスの活用
電子インボイス(Peppol):
- ペーパーレス化で事務負担軽減
- 自動で仕訳データ作成
消費税負担を軽減する方法
1. 経費の見直し
課税仕入を増やす:
- 課税仕入(控除対象)を増やすことで、納付税額を減らす
2. 設備投資のタイミング
大きな設備投資:
- 設備投資の年は、仕入税額控除が大きくなり、納税額が減る
- 場合によっては還付を受けられる
3. 免税事業者への発注の見直し
対策:
- 課税事業者への発注に切り替え
- 仕入税額控除を確実に受ける
税理士に相談するメリット
インボイス制度の対応は、税理士に相談することで負担を軽減できます。
税理士のサポート内容:
- 登録の要否の判断サポート
- 2割特例、簡易課税の有利判定
- インボイス対応の経理体制整備
- 適格請求書の確認サポート
- 消費税申告書の作成
インボイス制度に不安がある方は、早めに税理士に相談しましょう。
まとめ
インボイス制度による消費税負担増への対策として、免税事業者は2割特例の活用、簡易課税の検討、価格交渉が有効です。課税事業者は、適格請求書の確実な保存、簡易課税の検討が重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な対策については、税理士に相談することをお勧めします。
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