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月次決算の作り方を完全ガイド!中小企業が実践すべき手順とポイント
2025-11-17
- 経理
- 税務実務
月次決算とは
月次決算とは、毎月末に1か月間の経営成績と財政状態を集計し、試算表を作成することです。年次決算を待たずに、経営状況を早期に把握できます。
月次決算の目的:
- 毎月の業績を早期に把握
- 経営判断のスピードアップ
- 年次決算をスムーズに進める
- 銀行融資の際に提出(月次試算表)
月次決算の作り方(手順)
ステップ1: 当月の取引を全て記帳
記帳すべき取引:
- 売上の計上
- 仕入・経費の計上
- 現金・預金の入出金
- 売掛金・買掛金の計上
会計ソフトへの入力:
- 領収証や請求書をもとに仕訳を入力
- 銀行口座の入出金をデータ連携(自動取込)
ステップ2: 現金・預金の残高確認
現金残高の確認:
- 実際の現金と帳簿の現金残高を照合
- 差異があれば原因を調査
預金残高の確認:
- 通帳の残高と帳簿の預金残高を照合
- 差異があれば未記帳の取引を確認
ステップ3: 売掛金・買掛金の確認
売掛金:
- 得意先ごとの残高を確認
- 請求書と照合
買掛金:
- 仕入先ごとの残高を確認
- 請求書と照合
ステップ4: 在庫の確認
在庫の棚卸:
- 月末の在庫を確認
- 帳簿の在庫と実際の在庫を照合
在庫の計上:
期末在庫 = 期首在庫 + 当月仕入 - 当月売上原価
ステップ5: 試算表の作成
試算表とは: 全ての勘定科目の残高を一覧にした表
会計ソフトで作成: 会計ソフトで「月次試算表」を出力
試算表の内容:
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
ステップ6: チェック・確認
チェックポイント:
- 貸借対照表の「資産 = 負債 + 純資産」が一致しているか
- 現金・預金の残高が実際と合っているか
- 売上・経費に異常な数値がないか
- 前月との比較で大きな変動がないか
月次決算のチェックポイント
1. 売上の計上漏れ
確認ポイント:
- 月末の売上が正しく計上されているか
- 掛売上が売掛金に計上されているか
2. 経費の未払計上
確認ポイント:
- 月末時点で発生している経費が計上されているか
- 例:水道光熱費、外注費、家賃
3. 減価償却費の計上
月次で減価償却費を計上する場合:
月次減価償却費 = 年間減価償却費 ÷ 12
4. 棚卸資産の確認
在庫の確認:
- 商品、製品、原材料の在庫を確認
- 帳簿と実際の差異を調整
5. 前月との比較
比較すべき項目:
- 売上高
- 売上原価
- 販売費及び一般管理費
- 営業利益
大きな変動があれば、原因を調査
月次試算表の見方
貸借対照表(B/S)
見るべきポイント:
- 現預金残高:手元資金は十分か
- 売掛金:回収遅延はないか
- 在庫:過剰在庫になっていないか
- 買掛金:支払いが滞っていないか
- 借入金:返済は順調か
損益計算書(P/L)
見るべきポイント:
- 売上高:予算と比較してどうか
- 売上総利益(粗利):粗利率は適正か
- 営業利益:本業で利益が出ているか
- 当期純利益:最終的に利益が出ているか
月次決算を経営判断に活用する方法
1. 予算実績比較
予算と実績を比較:
- 売上が予算に届いているか
- 経費が予算内に収まっているか
- 差異があれば原因を分析
2. 前年同月比較
前年同月と比較:
- 売上が伸びているか
- 利益率が改善しているか
3. 資金繰りの予測
月次試算表から資金繰りを予測:
- 売掛金の回収予定
- 買掛金の支払予定
- 借入金の返済予定
4. 早期の軌道修正
問題点を早期発見:
- 売上が落ちている → 営業強化
- 経費が増えている → コスト削減
月次決算の頻度とタイミング
頻度
月次決算は毎月実施
タイミング
月次決算の実施時期:
- 月末締め → 翌月10日までに完了(目安)
早ければ早いほど良い: 経営判断のスピードが上がる
税理士に依頼するメリット
月次決算は、税理士に依頼することで正確かつ迅速に実施できます。
税理士のサポート内容:
- 月次試算表の作成
- 経営分析レポートの提供
- 予算実績比較
- 経営アドバイス
- 年次決算のスムーズな準備
月次決算を活用して、経営をスピーディーに改善しましょう。
まとめ
月次決算は、毎月の取引を記帳し、試算表を作成することで経営状況を早期に把握できます。現金・預金の残高確認、売掛金・買掛金の照合、在庫の確認が重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な月次決算については、税理士に相談することをお勧めします。
現在弊社では、ZOOMを利用したオンラインによる面談を行っております。
© 税理士 富下会計事務所
