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経理を外注すべきか?判断基準とメリット・デメリットを徹底解説
2025-11-13
- 経理
- 税務実務
経理の外注とは
経理の外注とは、記帳、請求書発行、支払処理などの経理業務を、外部の専門家に委託することです。税理士事務所や記帳代行会社が主な委託先となります。
外注できる経理業務:
- 記帳代行
- 請求書発行
- 支払処理
- 給与計算
- 月次試算表の作成
- 決算・申告
経理を外注すべきかの判断基準
外注すべき場合
1. 経理担当者がいない
状況:
- 創業間もない
- 社員が少ない
- 経営者が経理を兼任している
外注のメリット:
- 経理担当者を雇用する必要がない
- 人件費を大幅に削減できる
2. 経理業務に時間を取られている
状況:
- 経営者が経理に時間を取られている
- 本業に集中できない
外注のメリット:
- 経営者がコア業務に集中できる
- 営業・開発に時間を使える
3. 経理の専門知識が不足している
状況:
- 仕訳が分からない
- 税務の知識がない
- ミスが多い
外注のメリット:
- 正確な経理処理
- 税務リスクの軽減
4. 決算・申告が不安
状況:
- 決算書の作り方が分からない
- 税務申告に自信がない
外注のメリット:
- 税理士が決算・申告を代行
- 税務調査のリスク軽減
自社で対応すべき場合
1. 経理担当者が十分いる
状況:
- 経理担当者が複数いる
- 経理体制が整っている
自社対応のメリット:
- リアルタイムで数字が見える
- 経営判断が早い
2. リアルタイムで数字を把握したい
状況:
- 毎日の売上・経費を即座に確認したい
- 経営判断を早くしたい
自社対応のメリット:
- 即座に試算表を確認できる
3. 経理ノウハウを社内に蓄積したい
状況:
- 将来的に経理体制を強化したい
- ノウハウを社内に残したい
自社対応のメリット:
- 経理の知識が社内に蓄積される
4. 外注費用を抑えたい
状況:
- 経理担当者の人件費が安い
- 取引件数が多く、外注費が高い
自社対応のメリット:
- 外注費がかからない
経理外注のメリット
1. コスト削減
人件費の比較:
経理担当者を雇用:
- 給与:月20〜25万円
- 社会保険料:月3〜4万円
- 年間コスト:約300万円
経理を外注:
- 記帳代行:月1〜3万円
- 税務顧問:月2〜3万円
- 年間コスト:約36〜72万円
削減額:年間200〜250万円
2. 専門性の高い処理
メリット:
- 税理士や専門スタッフが処理
- 仕訳のミスが減る
- 税務リスクが軽減される
3. 最新の税法に対応
メリット:
- 税法改正に自動対応
- インボイス制度、電子帳簿保存法にも対応
4. 経営者がコア業務に集中
メリット:
- 営業・開発に時間を使える
- 売上拡大に注力できる
5. 税務相談ができる
メリット:
- 税理士に随時相談できる
- 節税対策のアドバイスがもらえる
経理外注のデメリット
1. 費用がかかる
月額費用:
- 記帳代行:月1〜3万円
- 税務顧問:月2〜3万円
- 給与計算:月1〜2万円
年間費用:約50〜100万円
2. リアルタイムで数字が見えない
デメリット:
- 月末締めで翌月に試算表が完成
- 即座に数字が確認できない
対策:
- 会計ソフトを自社でも使い、リアルタイム入力
3. 社内にノウハウが蓄積されない
デメリット:
- 経理の知識が社内に残らない
対策:
- 将来的に内製化を目指す場合は、並行して社内教育
4. 情報の外部提供が必要
デメリット:
- 領収証・請求書を外部に提供
- 情報漏洩のリスク
対策:
- 秘密保持契約を締結
- 信頼できる税理士事務所を選ぶ
外注と自社対応の費用比較
自社で経理を行う場合
年間コスト:
- 経理担当者の給与:240〜300万円
- 社会保険料:36〜48万円
- 会計ソフト:年間3〜5万円
- 合計:約280〜350万円
経理を外注する場合
年間コスト:
- 記帳代行:年間12〜36万円
- 税務顧問:年間24〜36万円
- 給与計算:年間12〜24万円
- 会計ソフト:年間3〜5万円
- 合計:約50〜100万円
削減額:年間180〜250万円
外注先の選び方
1. 税理士事務所
メリット:
- 記帳から決算・申告まで一括対応
- 税務相談ができる
- 税務調査の立ち会い
デメリット:
- 費用がやや高い
おすすめの企業:
- 税務相談もしたい企業
- 決算・申告も依頼したい企業
2. 記帳代行会社
メリット:
- 費用が安い
- 記帳に特化しており、処理が早い
デメリット:
- 税務相談はできない
- 決算・申告は別途税理士に依頼が必要
おすすめの企業:
- 記帳のみを外注したい企業
- 決算・申告は自社で対応できる企業
3. 選定のポイント
確認すべき項目:
- **対応範囲:**記帳のみか、決算・申告も含むか
- **料金体系:**基本料金と追加料金の明確さ
- **実績:**同業種の実績があるか
- **対応スピード:**試算表の納品時期
- **セキュリティ:**情報管理体制
段階的な外注の進め方
ステップ1: 記帳代行のみ外注
内容:
- 領収証を税理士に渡す
- 記帳のみを依頼
メリット:
- 経理業務が大幅に削減
- 費用も抑えられる
ステップ2: 税務顧問も契約
内容:
- 記帳 + 税務相談
メリット:
- 税務相談ができる
- 節税対策のアドバイス
ステップ3: 給与計算も依頼
内容:
- 記帳 + 税務相談 + 給与計算
メリット:
- 給与計算の手間がゼロに
- 社会保険手続きも対応(社労士と連携)
税理士に相談するメリット
経理の外注を検討する際は、税理士に相談することで最適な方法が見つかります。
税理士のサポート内容:
- 現状の経理業務の分析
- 外注すべき業務の提案
- 費用対効果のシミュレーション
- 記帳代行・税務顧問の提供
- 給与計算の代行(社労士と連携)
経理の外注を検討している方は、税理士に相談してみましょう。
まとめ
経理を外注すべきかは、経理担当者の有無、経営者の時間、専門知識の有無で判断します。外注することで、年間200〜250万円のコスト削減が可能です。税理士事務所と記帳代行会社で費用やサービス内容が異なるため、自社に合った委託先を選びましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な経理の外注については、税理士に相談することをお勧めします。
現在弊社では、ZOOMを利用したオンラインによる面談を行っております。
© 税理士 富下会計事務所
