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請求書発行・支払管理代行サービス|請求管理業務の効率化

2025-11-10
  • 税務実務

請求書発行代行サービスとは

請求書発行代行サービスとは、取引先への請求書の作成、発行、送付を代行するサービスです

請求書の作成には、取引内容の確認、金額の計算、請求書のフォーマット作成、送付など、意外と手間がかかります。代行サービスを利用することで、これらの作業を任せられます

請求書発行業務の課題

中小企業が抱える請求書発行の課題を紹介します

請求漏れ

忙しい時期に請求書の発行を忘れてしまい、入金が遅れます

作成に時間がかかる

取引先ごとに請求書を作成するのに時間がかかり、他の業務ができません

フォーマットが統一されていない

取引先によってフォーマットが異なり、作成が煩雑です

インボイス制度への対応

2023年10月から始まったインボイス制度に対応した請求書を作成する必要があります

電子帳簿保存法への対応

電子データで請求書を保存する場合、法律に従った保存が必要です

請求書発行代行の業務内容

請求書発行代行サービスでは、以下のような業務を委託できます

請求書の作成

取引内容をもとに、請求書を作成します

作成方法

  • 会社から提供された取引データ(売上データ、納品データ)をもとに作成
  • クラウド会計ソフトや販売管理システムと連携して自動作成

請求書の記載内容

  • 取引先名
  • 請求日
  • 請求番号
  • 商品・サービスの内容
  • 数量、単価、金額
  • 消費税額
  • 合計金額
  • 振込先
  • 支払期限
  • インボイス登録番号(適格請求書の場合)

インボイス制度対応

インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した請求書を作成します

適格請求書の要件

  • 発行事業者の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 税率ごとに区分した合計額および適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
  • インボイス登録番号

請求書の送付

請求書を取引先に送付します

送付方法

  • 郵送
  • メール送付(PDFファイル)
  • クラウド請求書システム(取引先がオンラインで閲覧)

入金確認

請求書に基づいて、入金があったか確認します

確認方法

  • 銀行口座の入出金明細をチェック
  • 会計ソフトと連携して自動で入金を記録

入金がない場合

支払期限を過ぎても入金がない場合、取引先に連絡します

売掛金管理

売掛金の残高を管理します

売掛金管理表の作成

  • 取引先ごとの売掛金残高
  • 請求日、支払期限、入金日
  • 未入金の請求書

未入金の請求書の管理

支払期限が過ぎている未入金の請求書をリストアップし、催促が必要か判断します

催促・督促

支払期限を過ぎても入金がない場合、取引先に催促します

催促の方法

  • 電話
  • メール
  • 催促状の送付

催促のタイミング

支払期限の翌日、1週間後、2週間後など、段階的に催促します

請求データの記帳

請求書のデータを会計ソフトに記帳します

記帳内容

  • 売掛金の計上
  • 入金の消込

支払管理代行サービスとは

支払管理代行サービスとは、取引先への支払いを管理・代行するサービスです

支払いを忘れると、取引先からの信用を失い、今後の取引に影響します。支払管理代行を利用することで、支払い漏れを防げます

支払管理業務の課題

中小企業が抱える支払管理の課題を紹介します

支払い漏れ

支払期限を忘れてしまい、取引先に迷惑をかけます

支払いの優先順位が不明

資金が不足している場合、どの支払いを優先すべきか判断が難しいです

支払手続きが煩雑

取引先ごとに振込を行うのに時間がかかります

資金繰りの把握が困難

いつ、いくら支払う必要があるか把握できていないと、資金繰りが悪化します

支払管理代行の業務内容

支払管理代行サービスでは、以下のような業務を委託できます

請求書の受領・確認

取引先から受領した請求書の内容を確認します

確認内容

  • 請求金額が正しいか
  • 取引内容が正しいか
  • 支払期限
  • 振込先

不明点がある場合

取引先に確認します

支払予定表の作成

支払いが必要な請求書をもとに、支払予定表を作成します

支払予定表の内容

  • 取引先名
  • 請求書番号
  • 支払金額
  • 支払期限
  • 支払方法(銀行振込、現金など)

支払予定表の提供

週次または月次で、会社に支払予定表を提供します

資金繰り表の作成

支払予定表と入金予定をもとに、資金繰り表を作成します

資金繰り表の内容

  • 月初の預金残高
  • 月中の入金予定
  • 月中の支払予定
  • 月末の預金残高見込み

資金繰りの改善提案

資金が不足する見込みの場合、対策を提案します

対策例

  • 支払いの延期交渉
  • 売掛金の早期回収
  • 金融機関からの借入

支払承認の依頼

支払予定表をもとに、会社に支払いの承認を依頼します

承認方法

  • メールで承認依頼
  • クラウドシステムで承認

支払データの作成

承認された支払いについて、振込データを作成します

振込データの形式

  • 全銀フォーマット
  • CSV形式

振込データの提供

振込データをメールやクラウドで提供します。会社は、そのデータを銀行に提出するだけで、振込が完了します

支払処理の記帳

支払いのデータを会計ソフトに記帳します

記帳内容

  • 買掛金の消込
  • 経費の計上

支払実績の管理

支払いが完了した取引先と金額を管理します

支払実績表の作成

  • 月次の支払実績
  • 取引先別の支払金額

請求管理業務代行サービスとは

請求管理業務代行サービスとは、請求書の発行から入金確認、支払管理まで、お金の流れ全体を管理するサービスです

請求書発行代行と支払管理代行を組み合わせたサービスで、経理業務を包括的にサポートします

請求管理業務の範囲

売上関連

  • 請求書の作成・発行
  • 入金確認
  • 売掛金管理
  • 催促・督促

仕入・経費関連

  • 請求書の受領・確認
  • 支払予定表の作成
  • 支払データの作成
  • 買掛金管理

資金繰り

  • 資金繰り表の作成
  • 資金繰りの改善提案

記帳

  • 売掛金・買掛金の記帳
  • 入金・支払いの記帳

請求書発行・支払管理を代行するメリット

請求書発行・支払管理を外部に委託するメリットを紹介します

請求漏れ・支払い漏れの防止

請求漏れの防止

取引データをもとに自動で請求書を作成するため、請求漏れがなくなります

支払い漏れの防止

支払予定表を作成し、支払期限を管理するため、支払い漏れがなくなります

業務時間の削減

請求書作成時間の削減

請求書を手作業で作成する必要がなくなります

支払処理時間の削減

支払データを自動で作成するため、振込作業が簡単になります

キャッシュフローの改善

売掛金の早期回収

入金確認と催促を徹底することで、売掛金を早期に回収できます

資金繰りの見える化

資金繰り表により、将来の資金の動きが把握でき、適切な資金計画を立てられます

取引先との信頼関係

正確な請求

請求金額のミスがなくなり、取引先からの信頼が高まります

期限通りの支払い

支払期限を守ることで、取引先からの信用が向上します

法令遵守

インボイス制度への対応

適格請求書を正確に作成できます

電子帳簿保存法への対応

請求書を法律に従って保存できます

内部統制の強化

不正の防止

請求書の発行や支払いを第三者がチェックすることで、不正を防げます

証跡の管理

請求書や支払いの記録が残り、監査にも対応できます

請求書発行・支払管理代行の料金

請求書発行・支払管理代行の料金は、取引件数によって異なります

請求書発行代行の料金

月額基本料金

10,000〜20,000円

請求書1通あたりの料金

500〜1,000円

料金例

  • 請求書10通/月:15,000〜30,000円
  • 請求書30通/月:25,000〜50,000円

支払管理代行の料金

月額基本料金

10,000〜20,000円

支払1件あたりの料金

300〜500円

料金例

  • 支払20件/月:16,000〜30,000円
  • 支払50件/月:25,000〜45,000円

請求管理業務代行の料金

請求書発行と支払管理をセットで依頼すると、割安になることがあります

月額料金

30,000〜80,000円

取引件数や業務範囲によって異なります

記帳代行とのセット料金

記帳代行と組み合わせると、さらに割安になります

記帳代行+請求管理業務代行のセット料金

月額50,000〜100,000円

請求書発行・支払管理代行を利用する流れ

請求書発行・支払管理代行を利用する際の流れを紹介します

ステップ1:相談・ヒアリング

税理士事務所に相談し、現在の請求・支払業務の状況をヒアリングします

ヒアリング内容

  • 月間の請求書発行件数
  • 月間の支払件数
  • 使用している会計ソフト
  • 販売管理システムの有無
  • 請求書のフォーマット
  • 支払方法(振込、現金など)

ステップ2:見積もり

ヒアリング内容をもとに、見積もりを作成してもらいます

見積もり内容

  • 月額料金
  • 対応業務の範囲
  • 追加料金の有無

ステップ3:契約

見積もりに納得したら、契約を締結します

契約書の内容

  • 業務内容
  • 料金
  • 契約期間
  • 解約条件
  • 秘密保持条項

ステップ4:初期設定

請求書のフォーマット設定、取引先情報の登録を行います

初期設定の内容

  • 請求書のテンプレート作成
  • 取引先情報の登録(社名、住所、振込先など)
  • 会計ソフトの設定
  • 販売管理システムとの連携

ステップ5:請求書発行業務の開始

毎月、以下の流れで請求書を発行します

会社側の作業

  1. 売上データを代行業者に送付(販売管理システムのCSVデータなど)

代行業者側の作業

  1. 売上データをもとに請求書を作成
  2. 請求書を取引先に送付(郵送またはメール)
  3. 請求書のコピーを会社に送付

ステップ6:入金確認

代行業者側の作業

  1. 銀行口座の入出金明細をチェック
  2. 入金を確認したら、売掛金を消込
  3. 入金がない場合、取引先に催促

会社への報告

  • 週次または月次で入金状況を報告
  • 未入金の請求書をリストアップ

ステップ7:支払管理業務の開始

会社側の作業

  1. 取引先から受領した請求書を代行業者に送付

代行業者側の作業

  1. 請求書の内容を確認
  2. 支払予定表を作成
  3. 会社に支払承認を依頼

会社側の作業

  1. 支払を承認

代行業者側の作業

  1. 振込データを作成
  2. 振込データを会社に送付

会社側の作業

  1. 振込データを銀行に提出

ステップ8:月次報告

月次で、請求・支払の状況を報告します

報告内容

  • 当月の請求書発行件数・金額
  • 当月の入金件数・金額
  • 売掛金残高
  • 当月の支払件数・金額
  • 買掛金残高
  • 資金繰り表

請求書発行・支払管理代行の導入事例

請求書発行・支払管理代行を導入した企業の事例を紹介します

事例1:建設業(従業員15名)

導入前の課題

  • 現場作業が忙しく、請求書の発行が遅れていた
  • 請求漏れがあり、売掛金の回収が遅れていた
  • 材料費の支払いが遅れ、仕入先に迷惑をかけていた

導入後の改善

  • 毎月決まった日に請求書が発行されるようになった
  • 請求漏れがなくなり、売掛金の回収が早まった
  • 支払予定表により、支払い漏れがなくなった
  • 資金繰り表により、資金計画が立てやすくなった

事例2:卸売業(従業員10名)

導入前の課題

  • 取引先が50社以上あり、請求書の作成に毎月丸2日かかっていた
  • 入金確認に時間がかかり、未入金の取引先への催促が遅れていた

導入後の改善

  • 請求書の作成時間がゼロになった
  • 入金確認が自動化され、未入金の取引先にすぐに催促できるようになった
  • 売掛金の回収期間が平均10日短縮された

事例3:IT企業(従業員8名)

導入前の課題

  • エンジニアが経理も兼務しており、本業に集中できなかった
  • インボイス制度への対応が分からず、不安だった

導入後の改善

  • 経理業務から解放され、開発に集中できるようになった
  • インボイス対応の請求書を自動で作成してもらえるようになった
  • 資金繰りが可視化され、経営判断がしやすくなった

クラウドシステムの活用

請求書発行・支払管理には、クラウドシステムを活用すると便利です

クラウド請求書システム

主なシステム

  • マネーフォワード クラウド請求書
  • freee請求書
  • Misoca
  • 楽楽明細

メリット

  • オンラインで請求書を作成・送付できる
  • 取引先がオンラインで請求書を閲覧できる
  • 入金確認が自動化される
  • 会計ソフトと連携できる

クラウド会計ソフトとの連携

クラウド会計ソフトと連携することで、記帳が自動化されます

連携のメリット

  • 請求書のデータが自動で会計ソフトに記帳される
  • 銀行口座と連携し、入金が自動で消込される
  • 経費の支払いも自動で記帳される

北九州で請求書発行・支払管理代行を利用するメリット

北九州市内の企業が、地域の税理士事務所に請求書発行・支払管理を依頼するメリットを紹介します

地域の商習慣への理解

北九州の企業間の商習慣を理解しています

支払サイトの理解

業種ごとの一般的な支払サイト(支払期限)を把握しています

迅速な対応

北九州市内であれば、必要に応じて訪問してもらえます

緊急時の対応

取引先から問い合わせがあった場合、迅速に対応できます

地元金融機関との連携

地元の金融機関と連携し、資金繰り改善のサポートができます

資金調達のサポート

資金が不足する場合、金融機関の紹介や、融資申請のサポートを受けられます

よくある質問

請求書発行・支払管理代行についてよくある質問に答えます

途中から代行に切り替えられますか

可能です

切り替えの流れ

  1. 現在の請求・支払業務の状況を確認
  2. 取引先情報を登録
  3. 翌月から代行開始

一部の取引先だけ代行できますか

可能です

特定の取引先のみ代行することもできます

請求書のフォーマットは変更できますか

可能です

会社のロゴやフォーマットに合わせて、カスタマイズできます

取引先から請求書の再発行を依頼されたらどうなりますか

代行業者が再発行します

会社に連絡があった場合、代行業者に伝えれば、すぐに対応します

請求金額を間違えて発行してしまったらどうなりますか

訂正版を発行します

ミスが発生した場合、すぐに訂正版を作成し、取引先に送付します

データのセキュリティは大丈夫ですか

税理士事務所は、守秘義務があり、厳格な情報管理を行っています

セキュリティ対策

  • データの暗号化
  • アクセス制限
  • 定期的なバックアップ

まとめ

請求書発行代行サービスは、請求書の作成、発行、送付、入金確認、売掛金管理、催促まで代行するサービスです

支払管理代行サービスは、請求書の受領・確認、支払予定表の作成、資金繰り表の作成、支払データの作成、買掛金管理を代行します

請求管理業務代行サービスは、請求書発行と支払管理を組み合わせたサービスで、お金の流れ全体を管理します

請求書発行・支払管理を外部に委託することで、請求漏れ・支払い漏れの防止、業務時間の削減、キャッシュフローの改善、取引先との信頼関係向上、法令遵守、内部統制の強化などのメリットがあります

料金は、取引件数によって異なりますが、請求書発行代行は月額1.5〜5万円程度、支払管理代行は月額1.6〜4.5万円程度、請求管理業務代行(セット)は月額3〜8万円程度です

北九州市内の企業であれば、地域の税理士事務所に依頼することで、地域の商習慣への理解、迅速な対応、地元金融機関との連携などのメリットがあります

請求書の発行や支払管理でお困りの際は、代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。業務効率化とキャッシュフロー改善により、経営の安定化が図れます

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な請求書発行・支払管理代行サービスについては、税理士にご相談ください

現在弊社では、ZOOMを利用したオンラインによる面談を行っております。
© 税理士 富下会計事務所