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資金繰り改善コンサルティング|北九州の中小企業向け資金繰り相談
2025-10-23
- 税務実務
資金繰りとは
資金繰りとは、企業の現金の流れを管理することです
売上があっても、入金が遅れたり、支払いが多かったりすると、現金が不足します。資金繰りを適切に管理しないと、黒字なのに倒産する「黒字倒産」に陥る可能性があります
資金繰りの重要性
黒字でも倒産する
損益計算書では黒字でも、現金がなければ支払いができず、倒産します
例
売上1,000万円、利益100万円の黒字企業でも、売掛金の入金が3か月後、買掛金の支払いが翌月であれば、現金が不足します
経営の生命線
資金繰りは、企業の生命線です。現金が尽きれば、事業を継続できません
経営判断の基礎
資金繰りを把握することで、適切な経営判断ができます
資金繰りの課題
中小企業が抱える資金繰りの課題を紹介します
よくある資金繰りの課題
売掛金の回収が遅い
取引先の支払いが遅れ、入金が予定通りにありません
在庫が過剰
売れない在庫を抱え、現金が在庫に固定されています
固定費が高い
人件費、家賃などの固定費が高く、利益が少なくなります
借入金の返済負担
借入金の返済が多く、現金が減少します
季節変動が大きい
売上に季節変動があり、閑散期に現金が不足します
将来の資金の動きが分からない
資金繰り表を作成しておらず、将来いくら現金が必要か分かりません
急な支払いに対応できない
予期しない支払いが発生し、現金が不足します
資金繰りを悪化させる原因
資金繰りが悪化する主な原因を紹介します
売上の減少
原因
- 景気悪化
- 競合の増加
- 商品・サービスの陳腐化
影響
売上が減少すると、入金が減り、現金が不足します
売掛金の増加
原因
- 売掛金の回収期間が長い
- 取引先の支払い遅延
- 不良債権の発生
影響
売掛金が増加すると、現金化されるまでの期間が長くなり、現金が不足します
在庫の増加
原因
- 過剰な仕入れ
- 売れ残り
- 不良在庫
影響
在庫が増加すると、現金が在庫に固定され、現金が不足します
経費の増加
原因
- 人件費の増加
- 家賃の上昇
- 無駄な経費
影響
経費が増加すると、支払いが増え、現金が減少します
設備投資
原因
- 新規設備の購入
- 店舗の改装
影響
設備投資により、一時的に現金が大きく減少します
借入金の返済
原因
- 借入金の返済
影響
返済により、毎月現金が減少します
資金繰り改善の方法
資金繰りを改善する具体的な方法を紹介します
方法1:売掛金の早期回収
回収期間の短縮
取引先と交渉し、支払いサイトを短縮します
例
支払いサイトを60日から30日に短縮
効果
入金が早まり、現金が増加します
請求書の早期発行
月末締めの場合、月末当日に請求書を発行します
入金確認の徹底
入金予定日に入金がない場合、すぐに取引先に連絡します
ファクタリングの活用
売掛金を売却し、早期に現金化します(手数料がかかる)
方法2:買掛金の支払い延長
支払いサイトの延長
仕入先と交渉し、支払いサイトを延長します
例
支払いサイトを30日から60日に延長
効果
支払いが遅くなり、現金が手元に残ります
注意点
仕入先との関係を悪化させないよう、丁寧に交渉します
方法3:在庫の削減
適正在庫の維持
過剰な在庫を持たず、適正在庫を維持します
不良在庫の処分
売れない在庫は、値引きしてでも早期に処分します
仕入れの見直し
必要な分だけ仕入れ、在庫を減らします
効果
在庫が減少し、在庫に固定されていた現金が解放されます
方法4:経費の削減
固定費の見直し
家賃、人件費、リース料など、固定費を見直します
無駄な経費の削減
不要な経費を削減します
例
- 使っていないサブスクリプションの解約
- 過剰な在庫の削減
- 交通費の削減
効果
経費が削減され、現金の流出が減少します
方法5:売上の増加
既存顧客への売上増加
既存顧客に対して、追加商品やサービスを提案します
新規顧客の獲得
新規顧客を獲得し、売上を増やします
単価の向上
商品・サービスの単価を上げます
効果
売上が増加し、入金が増えます
方法6:融資の活用
銀行融資
金融機関から融資を受け、資金を確保します
公的融資
日本政策金融公庫などの公的融資を活用します
効果
融資により、現金が増加し、資金繰りが改善します
方法7:資金繰り表の作成
将来の資金の動きを予測
資金繰り表を作成し、将来いつ現金が不足するか予測します
早期の対策
現金不足が予測される場合、早めに対策を打ちます
効果
資金繰りを把握し、計画的に対策できます
資金繰り表とは
資金繰り表について詳しく解説します
資金繰り表の目的
資金繰り表とは、将来の現金の入出金を予測し、現金残高を把握する表です
資金繰り表を作成することで、以下のことが分かります
将来の現金残高
来月、再来月の現金残高がいくらになるか分かります
現金不足のタイミング
いつ現金が不足するか分かります
必要な資金調達額
いくら資金調達が必要か分かります
資金繰り表の内容
資金繰り表には、以下の項目を記載します
月初の現金残高
月初時点の現金残高
現金の入金
- 売上の入金
- 借入金の入金
- その他の入金
現金の出金
- 仕入れの支払い
- 経費の支払い
- 給与の支払い
- 借入金の返済
- その他の支払い
月末の現金残高
月初の現金残高 + 入金 - 出金
資金繰り表の作成方法
ステップ1:過去のデータを確認
過去3〜6か月の入出金データを確認します
ステップ2:売上の予測
来月以降の売上を予測します
ステップ3:入金の予測
売上の入金時期を予測します(支払いサイトを考慮)
ステップ4:支払いの予測
仕入れ、経費、給与、返済などの支払いを予測します
ステップ5:現金残高の計算
入金 - 支払い = 現金残高を計算します
ステップ6:現金不足の確認
現金残高がマイナスになる月がないか確認します
ステップ7:対策の検討
現金が不足する場合、対策を検討します
資金繰り表の例
【資金繰り表】
4月 5月 6月
月初現金残高 1,000万円 800万円 500万円
【入金】
売上入金 2,000万円 1,800万円 2,200万円
借入金 - - 500万円
入金合計 2,000万円 1,800万円 2,700万円
【出金】
仕入支払 1,000万円 900万円 1,100万円
経費支払 500万円 500万円 500万円
給与支払 300万円 300万円 300万円
借入返済 400万円 400万円 400万円
出金合計 2,200万円 2,100万円 2,300万円
月末現金残高 800万円 500万円 900万円
分析
5月の現金残高が500万円まで減少しています。6月に借入金500万円を調達し、現金残高を確保しています
税理士による資金繰り改善コンサルティング
税理士が提供する資金繰り改善コンサルティングの内容を紹介します
現状分析
財務データの分析
過去の決算書、試算表を分析し、資金繰りの現状を把握します
資金繰りの課題抽出
何が資金繰りを悪化させているか、課題を抽出します
キャッシュフロー計算書の作成
キャッシュフロー計算書を作成し、現金の流れを可視化します
資金繰り表の作成
将来の資金繰り予測
今後6か月〜1年間の資金繰り表を作成します
現金不足のタイミング把握
いつ現金が不足するか把握します
改善策の提案
売掛金回収の改善
回収期間の短縮、請求書の早期発行などを提案します
在庫削減の提案
適正在庫の設定、不良在庫の処分を提案します
経費削減の提案
無駄な経費の削減、固定費の見直しを提案します
融資の提案
必要に応じて、金融機関からの融資を提案します
融資サポート
融資申請書類の作成
事業計画書、資金繰り表など、融資申請に必要な書類を作成します
金融機関への同行
金融機関に同行し、融資の交渉をサポートします
融資条件の交渉
金利、返済期間など、融資条件の交渉をサポートします
月次モニタリング
月次で資金繰りをチェック
毎月、資金繰りの状況をチェックします
予実管理
資金繰り表の予測と実績を比較し、差異を分析します
早期警戒
現金不足の兆候があれば、早期に警告します
継続的な改善支援
定期的な見直し
定期的に資金繰り改善策を見直します
経営アドバイス
資金繰りだけでなく、経営全般のアドバイスを行います
北九州で資金繰り相談をするメリット
北九州市内の税理士事務所に資金繰り相談をするメリットを紹介します
地元金融機関との連携
北九州の税理士は、地元の金融機関と関係があります
融資の相談がしやすい
地元の金融機関を紹介してもらえ、融資の相談がしやすくなります
融資審査の通過率向上
税理士が金融機関に同行し、説明することで、融資審査の通過率が向上します
地域の商習慣への理解
北九州の商習慣を理解しています
支払いサイトの相場
業種ごとの一般的な支払いサイトを把握しています
地域の取引慣行
地域特有の取引慣行を理解しています
対面でのサポート
北九州市内であれば、対面でサポートを受けられます
訪問相談
会社に訪問し、資金繰りの状況を確認してもらえます
緊急時の対応
資金繰りが急激に悪化した場合、すぐに訪問してもらえます
補助金・助成金の情報
北九州市や福岡県の補助金・助成金の情報を提供してもらえます
活用できる補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
補助金により、設備投資の負担を軽減できます
資金繰り改善の事例
資金繰り改善に成功した企業の事例を紹介します
事例1:製造業(従業員20名)
導入前の課題
- 売上は順調だが、現金が常に不足
- 材料費の支払いが早く、売上の入金が遅い
- 銀行からの融資を断られた
税理士のサポート
- 資金繰り表を作成し、現金不足のタイミングを把握
- 仕入先と交渉し、支払いサイトを30日から45日に延長
- 取引先と交渉し、売掛金の回収期間を60日から45日に短縮
- 金融機関への融資申請書類を作成し、同行
改善後の効果
- 支払いサイトの延長と回収期間の短縮により、現金残高が改善
- 融資審査が通過し、500万円の融資を獲得
- 資金繰りが安定し、経営に集中できるようになった
事例2:小売業(従業員8名)
導入前の課題
- 在庫が過剰で、現金が在庫に固定されていた
- 季節商品の売れ残りが多い
- 閑散期に現金が不足
税理士のサポート
- 資金繰り表を作成し、閑散期の現金不足を予測
- 在庫管理の改善を提案(適正在庫の設定、発注の見直し)
- 不良在庫を値引きして処分
- 閑散期の前に短期融資を受けることを提案
改善後の効果
- 在庫が減少し、現金が解放された
- 資金繰り表により、閑散期の資金計画が立てられた
- 短期融資により、閑散期を乗り切ることができた
事例3:サービス業(従業員15名)
導入前の課題
- 固定費(人件費、家賃)が高く、利益が少ない
- 経費の無駄が多い
- 資金繰りが把握できていない
税理士のサポート
- 資金繰り表を作成し、現金の流れを可視化
- 固定費の見直しを提案(人員配置の最適化、事務所の移転検討)
- 経費削減の提案(不要なサブスクリプションの解約、交通費の削減)
- 月次で資金繰りをモニタリング
改善後の効果
- 経費が月10万円削減され、年間120万円の効果
- 資金繰りが可視化され、計画的な経営ができるようになった
- 現金残高が安定し、資金繰りの不安が解消された
資金繰り改善コンサルティングの費用
資金繰り改善コンサルティングの費用を紹介します
初期コンサルティング費用
現状分析・資金繰り表作成
10万円〜20万円
改善策の提案
5万円〜10万円
合計
15万円〜30万円
継続サポート費用
月次モニタリング
顧問契約に含まれることが多いです
顧問料:月額3万円〜10万円
融資サポート費用
融資申請書類の作成
5万円〜10万円
金融機関への同行
3万円〜5万円
成功報酬
融資額の3〜5%(融資が成功した場合)
例
融資額1,000万円の場合、成功報酬30〜50万円
よくある質問
資金繰り改善についてよくある質問に答えます
黒字なのに資金繰りが苦しいのはなぜですか
売上があっても、入金が遅れたり、在庫が多かったりすると、現金が不足します
損益計算書では黒字でも、キャッシュフローが悪化している可能性があります
資金繰り表はどのくらいの期間を予測すべきですか
最低でも6か月、できれば1年間を予測することをお勧めします
融資を受けるべきですか
現金が不足する見込みがある場合、早めに融資を受けることをお勧めします
現金がなくなってから融資を申し込んでも、審査が通りにくくなります
資金繰りが悪化したらどうすればよいですか
すぐに税理士に相談してください
早期に対策を打つことで、倒産を回避できます
資金繰り改善にどのくらい時間がかかりますか
すぐに効果が出る施策(売掛金の早期回収、経費削減など)もあれば、時間がかかる施策(売上増加など)もあります
一般的に、3〜6か月で効果が現れます
まとめ
資金繰りとは、企業の現金の流れを管理することで、黒字でも倒産する可能性があるため、非常に重要です
資金繰りが悪化する原因として、売上の減少、売掛金の増加、在庫の増加、経費の増加、設備投資、借入金の返済などがあります
資金繰りを改善する方法として、売掛金の早期回収、買掛金の支払い延長、在庫の削減、経費の削減、売上の増加、融資の活用、資金繰り表の作成などがあります
資金繰り表を作成することで、将来の現金残高、現金不足のタイミング、必要な資金調達額が分かります
税理士による資金繰り改善コンサルティングでは、現状分析、資金繰り表の作成、改善策の提案、融資サポート、月次モニタリング、継続的な改善支援を行います
北九州市内の税理士事務所に相談することで、地元金融機関との連携、地域の商習慣への理解、対面でのサポート、補助金・助成金の情報などのメリットがあります
資金繰りでお困りの際は、早めに税理士に相談し、適切なサポートを受けることをお勧めします。専門家のサポートにより、資金繰りが改善され、経営が安定します
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な資金繰り改善については、税理士にご相談ください
