お金に困らないための税金の相続対策

相続において、土地の分割方法は相続税評価額に影響を及ぼすことがあります。土地の評価額が変動することで、相続税の負担額も変わるため、適切な分割を行うことが重要です。ここでは、土地の評価単位や分割のポイントについて解説します。

土地の評価単位について

土地の評価は「地目ごと」「利用単位ごと」「取得者ごと」に行われます。具体的には以下のように評価が分けられます。

  • 地目ごと:宅地、田、畑、山林などの地目に応じて評価されます。
  • 利用単位ごと:同じ地目でも利用目的が異なれば、個別に評価されます。
  • 取得者ごと:相続する人ごとに分けて評価することもあります。

例えば、1つの土地が地目や利用単位ごとに異なる場合、それぞれを分けて評価します。そのため、地番ごと(1筆ごと)に評価されるわけではありません。土地をどう分けるかによって、評価額が変動することがあるのです。

相続税評価額と時価の違い

土地の評価額には、主に以下の3種類があります。

  • 時価:実際の市場で取引される価格。
  • 相続税評価額:相続税を計算する際に使われる評価額で、時価の約80%が目安です。
  • 固定資産税評価額:固定資産税を計算する際に使われる評価額で、時価の約70%が目安です。

相続税評価額は、時価よりも低く設定されることが多いため、土地を分割する際には相続税評価額を基準にすることが一般的です。しかし、実際の市場価値とは異なるため、遺産分割の際に不公平感が生じないよう注意が必要です。

土地の分割方法による評価額の変動

土地を分割する方法によって、評価額が変わることがあります。以下のケースを考えてみましょう。

  • 共有分割:複数の相続人で1つの土地を共有する方法。評価額は共有分割の割合で按分されますが、共有状態が続くことで将来的にトラブルが起きる可能性もあります。
  • 現物分割:土地を物理的に分割し、それぞれの相続人に割り当てる方法。土地の形状や利用単位によって評価額が変わるため、分割の仕方によって税額に影響が出ることがあります。
  • 換価分割:土地を売却して現金化し、相続人で分ける方法。評価額は実際の売却価格に基づきます。

特に現物分割では、土地の形状や立地条件によって分割後の評価額が大きく異なることがあります。そのため、相続税を最小限に抑えたい場合は、分割方法を慎重に検討する必要があります。

専門家のサポートが必要

相続における土地の分割と評価は複雑であり、相続税の計算や分割方法によって大きく変動します。さらに、相続人同士で意見が分かれることも少なくありません。そのため、税理士や不動産鑑定士などの専門家に相談しながら進めることが重要です。

遺産分割協議を行う際には、相続税の節税対策や将来的なリスクも考慮し、相続人全員が納得できる形で分割することを心がけましょう。

富下会計事務所は、不動産関連の相続税対策にも強いと評価をいただいております。不安なこと、ご不明なことなどがございましたらぜひお気軽にご相談ください。

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