消費税率が10%になったら、その日から値札も変える必要があるのか
- 2019年07月22日
- 消費税
前回のブログで、消費税率の引き上げと軽減税率制度の導入に伴う、レジの入れ替えや受発注システムの改修をするための経費の一部を負担する補助金制度についてお話させていただきました。
詳しくはこちらをご覧ください。
「消費税軽減税率対策補助金」を利用してレジ買い換えやシステム変更の負担を減らす | 富下会計事務所
今回は、消費税率が8%から10%に上がった際の、値札や商品POPに記載する価格の表示方法、書き換え・貼り替えのタイムリミットなどについて、もう一度わかりやすく解説いたします。
消費者価格の表示方法
消費者に商品やサービスの価格をあらかじめ表示する場合(店頭価格の表示)、消費税を含めた価格(税込価格)で表示することが原則義務付けられています。
このことについては以前もお話しておりますが、消費者が商品等を購入する際「消費税額を含んだ価格」を一目で分かるようにするために必要な表示です。
そこで疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
2019年10月に消費税率が10%に引き上げられたら、10月1日から消費税額を含んだ価格表示に変更しなければならないのか?ということです。
もしそうであれば、2019年9月30日は、価格変更のためにものすごく大変な作業を行う必要が出てきます。作業量を考えただけでゾッとしますよね。
でも、慌てないでください。特例があります。
令和3年(2021年)3月31日までは、例えば○○円(本体価格)、○○円(税抜価格)等の表示を行って、表示される価格が税込価格であると誤認されない措置をとっていれば、税込価格で表示する必要はありません。
これは消費税率の引き上げに際して、事業者の事務負担に配慮するための措置ですので、値札の貼り替え作業やPOPの書き換えは、そこまで急がなくても大丈夫です。
今は税抜価格と税込価格を並べて表記しているプライスカードが多いように感じますが、一部の店舗では、税込み価格を表示せず、「○○円+税」という価格表示になっているのも見かけます。
消費者の立場から見た場合、正直、この表示方法だと、実際に支払う金額は計算しないとわからないので少し不便さも感じますが、経営者側から見た場合、この店頭価格表示方法だと、消費税率が8%の今でも10%に引き上げられた後でも、直ちに貼替えや書き換えをする必要がなく、しばらくはそのまま使用することが可能なため便利です。
消費者にとっては、税抜価格と税込価格を明記しているプライスカードの方がわかりやすく親切に感じられるとは思いますが、「○○円+税」でも「○○円(税抜価格)」でも、価格が税込価格ではないとわかるので問題のない表示方法だといえます。
ただし、前述したとおり、2021年(令和3年)3月31日までの特例です。それまでに消費税を含めた価格(税込価格)での表示に切り替えていく必要がありますので注意が必要です。